毒親育ちは共依存になりやすい?心を縛る関係から抜け出すために今日からできること

 

こんにちは。

家族問題解決専門カウンセラーの鈴木悦子です。

 

毒親育ちの方からよく聞くお悩みに、

 

「いつも誰かに合わせてしまう」

「断るとなぜか罪悪感が出てくる」

「相手の機嫌が悪いと自分のせいだと思ってしまう」

 

というものがあります。

 

このようなお悩みは決して性格上の問題ではなく、いわば“共依存”という状態に陥っていると言えるでしょう。

 

共依存を少し説明すると、特定の相手との関係に過度に依存してしまい、その関係性に囚われている状態のことなんですね。

 

この状態に陥っていると自分自身よりも相手の期待や問題解決を優先し、自分の価値を周囲の基準で判断してしまう、という傾向になりがちです。

 

幼い頃から「毒親に合わせ続けるしか生きる道がなかった」という環境で育つと、心は自然と共依存的な関係を身につけてしまうのは、ある意味当然と言えることですよね。

 

今回は、毒親と共依存の関係を心理学的にひも解きながら、共依存の苦しみから解放していくヒントをお話していきましょう。

 

なぜ毒親育ちは共依存になりやすいのか?

 

毒親の元で育つと、子どもはいつもアンテナを張り巡らせるように生きています。

 

・お母さんは怒っていないかな?

・機嫌が悪くなる前に何かしなきゃ

・私がちゃんとしないと愛されない

・しっかりしないと無視されてしまう

 

このような「自分の価値=親にどれだけ尽くせるか」という考えかた、図式が幼少期に作られていきます。

 

毒親が支配する家庭では、

 

・感情を否定されること

・助けを求めると「大げさだ」「我慢しなさい」と言われる

・親の愚痴や悩みを子どもが聞かされる

・できなかったことを責められる

・褒めてもらった経験がほとんどない

 

というようなことが日常茶飯事であり「自分より他人を優先するほうが安全だ」という判断を無意識に身につけてしまうんですね。

 

その結果として、大人になっても人に頼れなかったり、誘いやお願いを断れなかったり、誰かの問題を自分の責任だと感じてしまったり、相手の感情に巻き込まれやすかったりと、多くの苦しさが降りかかってきてしまいます。

 

このような共依存のパターンは続きやすく、自己解決がとても難しい状態と言えます。

 

毒親との共依存に見られる典型的なパターンとは

 

毒親育ちに多い、共依存に見られる典型的なパターンというものが大きく分けて3つあります。

 

ここからは3つの典型的なパターンをお話していきますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

1、親の問題を「自分が何とかしなきゃ」と背負ってしまう

 

親がなにかしらで困っていると自分が動かなければいけない気がしてしまう。また、親が怒りだすとすべて自分が悪い気がする。

 

こうした気持ちや行動は、幼い頃に「親を助けないと家が壊れてしまう」という責任感、それによりいらない不安を背負わされていた可能性があります。

 

2、親の要求に応えないと罪悪感が感じてしまう

 

連絡を返せなかった、頼みごとを断る、距離を置く、など。

 

これらは必要に応じて大人の世界では当たり前のことですよね。

 

ですが、これらに対し罪悪感が強く出てしまうのは、毒親が“罪悪感を感じさせることで子どもをコントロールしてきた”名残と言えるものです。

 

3、自分より親を優先してしまうのがクセになっている

 

「親が心配だから・・・」と自分の予定を後回しにしてしまったり、親の機嫌や声色を敏感に察知してしまう、など。

 

このような状態は、幼い頃に「親を優先すれば傷つかずに済む」と身体が覚えてしまった反応と言えるものです。

 

いかがですか?ここであげた3つのパターンはほぼ無意識の条件反射的になっており、夫婦関係や子育てにも影響していることがほとんどです。

 

たとえば、夫の機嫌を必要以上に気にしてしまったり、子どものために頑張りすぎて疲れ果ててしまう、NOが言えず限界まで我慢する、など。

 

このような悪循環につながりやすいんですね。

 

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毒親との共依存から抜け出すために大切な行動とは

 

親との共依存、また周りへの共依存から抜け出すためのカギは“自分の心を取り戻すこと”にあります。

 

これまで自分をおざなりにして親や周りを優先してきたので、これからは自分を取り戻す、いわば自分の軸を確立させていくことが大切なんですね。

 

それには元凶の大元になっている親との関係性を見直していく、勇気をもって視点を変えていく必要があります。

 

そのゴールにたどり着くためには、親と“心理的な境界線”を引く勇気をもたないといけません。

 

ここでいう“境界線”というのは、

 

「それはあなたの問題であり、私の問題ではない」

 

と、明確に線を引いてしまうことです。

 

少し考えてみてほしいのですが、小さな子どもであればまだしも、親というのは立派な大人ですので親の感情の責任をあなたが負う必要は一切ありませんよね。

 

まずは小さなことから始めてみましょう。たとえば、

 

・頼みごとは無理なときは断る

・返信を急がなくてもいい

・親の問題を自分の課題として抱え込まない

・なにかしら文句を言ってきたら「それはあなたの問題だ」と割り切る

・誰よりも自分の都合を優先させる

 

など、親の行動や言いかたについては「これは私の問題なのだろうか?」と一度立ち止まり条件反射を止める、しっかりと考える習慣が大切です。

 

また、親との関係を見直していくのと並行して、自分を振り返りながら小さな行動を取り入れていくことも大切です。

 

・一日の終わりに「今日の私はどう感じていた?」と振り返ってみる

・他人の気持ちを予測する前に「私はどうしたい?」と立ち止まり一旦考える

・疲れていたら“手を抜く選択”を積極的にしていく

・自分の気持ちをほぐしていくための趣味や好きなことの幅を広げてみる

 

こうした行動を日常に取り入れていくことで、自分のなかにあった“他人を優先”がゆっくりと弱まり“自分を優先”にシフトしていくようになります。

 

おわりに

 

共依存というのは毒親育ちに多く見られ、幼少期の毒親との関係性から成り立ってしまうもの。

 

逃れられない環境で身につけざるを得なかった“生きるための術”が、いまもあなたの心のなかで働いているだけです。

 

ですが、そのパターンはしっかりと変化への行動をしていくことで、確実に変えていけるでしょう。

 

自分の心を取り戻す、自分を振り返ってみる。

 

ぜひ、今回のお話をあなたなりに取り入れてみてくださいね。

 

 

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