小さなミスで自分を全否定してしまう・・・毒親育ちの白黒思考を手放すためのステップとは

 

こんにちは。

家族問題解決専門カウンセラーの鈴木悦子です。

 

仕事でちょっとしたケアレスミスをしてしまったときや、家事で何かを忘れてしまったときなど。

 

「私はなんてダメな人間なんだろう・・・」と、まるで自分の存在そのものを否定したくなってしまうこと、ありませんか?

 

落ち込んでしまい、気分が上がらないために別のミスを呼び込んでしまう、なんてことも。

 

毒親の元で育った人は、小さなミスひとつで自分を全否定してしまう傾向が強く、いわゆる、

 

「白黒思考」

 

というものに苦しんでいる人は多いものです。

 

この「白黒思考」という思考パターンですが、白か?黒か?的な2極論になってしまい、中間地点が無いがゆえ、自己批判も強まってしまうんですね。

 

今回は、そんな極端な自己批判から抜け出し、もっと自分にやさしく接するための具体的なステップについてお話していきましょう。

 

小さなミスで自分を全否定してしまう心理メカニズム

 

「白黒思考」を通じ、毒親育ちの人が極端な自己批判に陥ってしまう・・・実は、これには明確な理由があります。

 

毒親育ちの人は、小さい子どもの頃から「できるか?できないか?」という2極論的な考えを植え付けられてきました。

 

それゆえ、できないと大変な思いをするので「完璧にできなければ!という価値観が刻まれています。

 

もし毒親の言う通りできない、少しでも期待に沿わないことがあると、

 

“自分の存在そのものが否定されたかのような感覚”

 

に陥ってしまうんですね。

 

白黒思考というものは「白か?黒か?」という評価システムであり、中間的な評価を許しません。

 

たとえばですが、仕事で書類の誤字を見つけたとき、本来なら「次は気をつけよう」と思い、反省に留まりますよね。

 

ところが、白黒思考に飲み込まれていると一気にトーンダウンしてしまい、

 

「私は仕事ができない無能な人間だ・・・」

 

と思考が一気に最悪な局面へと飛躍してしまいます。

 

このような、極端な自己評価というものは日々の小さなできごとすら大きなストレスに変えてしまい、自分らしく生きることを困難にしてしまうものなんですね。

 

毒親育ちゆえに白黒思考が生まれてしまう背景とは

 

毒親の特徴のひとつに“一貫性のない評価システム”というものがあります。

 

たとえば、あることで昨日は褒められていたのに、今日になって突然同じことを批判される、など。

 

そんな予測不可能な環境の中で育つと子どもの精神は混乱し、批判されないよう安全でいるため“常に完璧でいなければ”という思考を身につけてしまいます。

 

また、毒親にとっての良い子、毒親にとって期待に応えてくれる子、など、毒親の理にかなう愛情を与えていた場合、その影響も大きく関係します。

 

「(毒親にとって)良い子でいるときだけ愛される」

「(毒親が求める)期待に応えられないと見捨てられる」

 

そういった恐怖の中で育つと、大人になっても「承認への渇望」と「拒絶への恐怖」を抱え続けることになってしまうんですね。

 

その結果として、ほんの小さなミスひとつでも強烈な不安が無意識のうちに湧き上がり、自分を全否定する思考へとつながっていってしまいます。

 

毒親の愛情というのは、そのほとんどが理不尽であり予測不可能です。

 

大切なことは、子どもの頃に受けた理不尽や予測不可能を腑に落としながら、

 

「これは私が悪いのではなく、育った環境が作り出した思考パターンなんだ」

 

といった思考の転換を図ることです。

 

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白黒思考を手放すための具体的ステップ

 

小さなことで自己否定しない、穏やかな社会生活を送るための具体的ステップがあります。

 

ここからは段階的に取り組める4つのステップをご紹介していきますね。

 

【ステップ1】まずは自分の思考パターンに気づくこと

 

まずは、小さなミスから自己否定へと向かってしまう思考回路を客観視することを意識しましょう。

 

なにかミスをしたとき「あ、また私は自分をダメだと思っているな」と客観的に気づくことができれば、それだけで大きな前進です。

 

この気づきを得やすくするため、ぜひ紙やノートにその日気づいたことを書き出してみてください。

 

「今日、○○のミスをして、私はダメな人間だと思った」

 

など書き出すことで、だんだんと自分の思考パターンが見えてきますよ。

 

【ステップ2】グレーゾーン(中間地点)の存在を認めていく

 

次に、

 

「できたか(白)?できなかったか(黒)?」

 

といったこれまでの白黒思考ではなく、その間にたくさんのグレーゾーン(中間地点)があることを意識していきましょう。

 

「70点でも十分価値がある」

「たとえミスをしても次からは注意できる」

「ミスだけでなく他にできていることはちゃんとある」

 

など、このような中間的な評価をだんだんと自分に許してあげましょう。

 

白か?黒か?だけの評価は自分をどこまでも追い詰め、精神をすり減らしてしまいます。

 

そうではなく、60点や70点といった評価があるということを理解し、それに心身ともに慣れていきましょう。

 

【ステップ3】優しさや労いを自分に向けていく

 

もし、親しい友人がなにかしらのミスをして落ち込んでいたら、あなたはどんな言葉をかけてあげますか?

 

きっと「そんなことで自分を責めないで」「誰にでもあることだよ」など、優しく伝える、労うのではないでしょうか。

 

他者に向ける同じ優しさを、ぜひ自分にも向けていきましょう。

 

「人間だからミスもあるよね。ただのミスで私の価値は損なわれない」と自分に伝えていく、温かな労いを伝える習慣を作っていくのが良いですね。

 

【ステップ4】中間地点を許せる感覚を積み重ねていく

 

白か黒かではない自分、完璧でない自分、そして70点など中間地点を受け入れられるという感覚を意識的に増やしていきましょう。

 

たとえばですが、いつもなら完璧に仕上げようとする家事を「今日は70点でいいや」と思い、70点で取り組んでみる。

 

食事内容の手を抜く、見えるところだけ掃除する、食器の片付けは家族に頼む、など。

 

そういったことを日々積み重ねていくことで、いつしか中間地点を許容することが当たり前になっていきますので。

 

専門家と一緒に白黒思考の改善を図る

 

子どもの頃から大人であるいま現在まで、自分のなかの思考パターンとしてあった白黒思考。

 

白黒思考を改善していくには上記であげたステップも良いのですが、カウンセラーなど専門家と連携し、改善していくのもひとつの方法です。

 

白黒思考にいたるまで、毒親からの言動に心の深い部分が傷ついている場合があり、いわゆるトラウマとして根深く刻まれていることは多々あります。

 

そのようなトラウマがあると、事あるごとに不安や恐怖といった感情が顔を出しやすく、生きづらさがそっくりそのまま残ってしまう可能性があります。

 

ですが、心理カウンセラーと一緒に改善を図ることで、そういったトラウマの解消にも目を向けることができ、傷ついた心の癒しにもなるでしょう。

 

専門家に話をすることの安心感、根深いトラウマの解消など、ひとつの選択肢として心理カウンセラーという専門家に頼ることも考えてみてくださいね。

 

おわりに

 

最初のほうでもお話しましたが、毒親育ちであるがゆえ、白黒思考に陥っていることは多々あります。

 

ある程度の時間はかかりますが、白黒思考を理解する、実践へのステップを踏む、そして専門家への協力を考えることで、確実に白黒思考からの脱却を図ることができますので。

 

できるだけ自分のペースを保ちながら「少しずつ」「今日できる範囲で」取り組んでいくことが、白黒思考から抜け出し、自分を許していくことへとつながっていきます。

 

ぜひ、今日から明日から、できることを実践してみてくださいね。

 

 

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