こんにちは。
家族問題解決専門カウンセラーの鈴木悦子です。
“自分が本当にしたいことをする時間”
妻であれ夫であれ子どもであれ、どのような立場にいてもある程度の「自由」というのはあるべきものですよね。
本当にしたいことをする、というのはとてもシンプルではありますが、心を健やかに保つひとつの秘訣かもしれません。
さて、そんな「自由」というものですが、毒親のもとで育った人の多くのは子どもの頃から、
「親の期待に応える時間」
ばかりを過ごしてしまい、
「自分が本当にしたいことをする時間」
を十分に経験できていないことがほとんどです。
違う言いかたをすると、それは“奪われた時間”とも言えるもの。
そういった過去の影響が、大人になったいまでも「自分の時間を持つことへの罪悪感」や「常に誰かを優先してしまう習慣」として残ってしまうんですね。
奪われた時間を取り戻すため過去に戻りやり直すことはできませんが、これからでも“自分なりの時間の使いかた”を手に入れることはできます。
今回は、毒親に奪われてしまった「時間」の正体を明らかにし、それを取り戻すための方法をお話していこうと思います。
さらに、子育てや仕事で忙しいお母さんでも実践できる「新しい人生のスタートの切りかた」もお話しますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
目次
毒親に奪われた「時間」とは何か?
「1日は24時間」というのは誰にでも与えられた時間の概念です。そこには自分だけに使える時間というのも含まれています。
ですが、これが毒親の場合、24時間は平等でありながらもその大半は奪われてしまう形となってしまいます。
ここからは、毒親に奪われた時間というものについて詳しくお話していきましょう。
自分らしく過ごす時間の欠如
毒親に奪われた「時間」とは、いったい何を指しているのでしょうか。
それは、
「自分の気持ちや興味に従って、自由に過ごす時間」
のことを指しています。
普通の親であれば、子どもが「これをやってみたい」「あれが好き」と言ったとき、その気持ちを尊重し、子どもが自分らしく過ごせる時間を作ろうとする、もしくは努力するものです。
しかし毒親というのは、子どもの気持ちよりも、
「親の期待」
「親の都合」
「世間体」
といったものを優先します。
それを優先し、子どもの気持ちを置き去りにした結果、子どもは自分の本当の気持ちを押し殺し、常に「親が喜ぶこと」に時間を費やすようになってしまうんですね。
「親の期待」に縛られた子ども時代
毒親のもとで育った人の多くは、
「勉強しなさい」
「良い子でいなさい」
「お母さんを困らせないで」
このような言葉を日々浴びながら、常に親の期待に応えることを求められてきました。
子どもですから遊びたい気持ちはありますよね。ですが、そういった遊びたい気持ちを我慢して勉強に時間を費やしたり、友達と過ごしたい時間を削って家事を手伝ったり。
本来なら子どもらしく過ごせるはずの貴重な時間が「親を満足させるため」に使われてしまった、と言えるでしょう。
大人になっても続く「時間泥棒」の正体
そして、この「自分の時間を他人のために使う」パターンというのは、大人になっても無意識で続いていることが大半です。
もしかしたらいまのあなたも、夫のストレスを和らげようと必要以上に気を遣ったり、子どもに「完璧な母親」でいようと自分の時間を削ったりしていませんか?
これこそが、毒親から受け継いだ「時間泥棒」の正体と言えるべきものです。
毒親の影響が現在の生活に与える「時間の歪み」とは
毒親育ちの人によく見られるのが“パートナーへの過度な気遣い”です。
夫が仕事でストレスを抱えているとき、私が我慢すれば円滑にいくと考え、自分の時間や気持ちを後回しにしてしまう。
これは、子どもの頃に「親の機嫌を損ねないよう」に過ごしてきた経験が悪い意味で活かされてしまい、影響しています。
本来なら夫婦で話し合って解決すべきことでも「私が頑張ればいい」と思い込んでしまい、結果自分一人で抱え込んでしまうことは多々あります。
子育てにおいても毒親の影響というのは現れやすいものです。
「良い母親でなければならない」
「子どもに迷惑をかけてはいけない」
という思いや気持ちから、つい完璧を求めすぎてしまい自分で自分を追い詰めてしまうんですね。
子どもが泣いたら即座に対応し、家事も手を抜かず、仕事もきちんとこなす。
そんな「スーパーマザー」を目指すあまり、自分の休息時間や趣味の時間を「贅沢なもの」として削ってしまいます。
そして、最も深刻だと考えるべきことは、
“自分のための時間を持つことに強い罪悪感を感じてしまう”
ということなんですね。
自分の時間を持つというのはリフレッシュになったりストレス解消になったりと、メンタルのバランスを保つうえではとても大切なことです。
しかし、罪悪感を感じてしまうというパターンがせっかくの自分時間を台無しにしてしまいます。
これは、毒親から「自分のことより他人を優先しなさい」というメッセージを刷り込まれた結果と言えるでしょう。
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奪われた時間を取り戻すための具体的ステップ
ここからは、毒親によって奪われてしまった時間を取り戻すため、今日から実践できるステップをお話していきますね。
まず、最初に大切なことは“自分のための時間確保をしっかりと意識する”ということです。
具体的には、1日の中で「この時間は絶対に自分のもの」という境界線を引いてみることなんですね。
たとえばですが、
・朝の30分間は読書時間にあてる
・子どもが昼寝している間は短時間でできる趣味の時間にする
・夜寝る前の15分は日記を書く時間にする
など、まず自分がやりたいことを思い浮かべ、それを主体に空き時間を当てはめていく、という感じです。
大切なポイントとして、
“この時間だけは誰にも邪魔されない自分だけの時間”
という意思、意識を持つことです。
また、自分時間を持つときに湧いてくるであろう「罪悪感」には、
「自分が満たされているからこそ家族により良い自分を提供できる」
「母親である前に私も一人の人間として大切にされるべき存在」
「自分を大切にすることは、子どもへの良いお手本になる」
というような意識、上記のような考えかたを持つことがとても大切です。
もし、これから自分時間を持つうえで罪悪感が湧いたときはこれらの言葉を思い出し、自分に許可を与えてあげましょう。
次に、家族として、パートナーや子どもとの関係性はとても大切なことであり、そこに時間を使うことは必要なことです。
夫や子どもとの時間も大切ですが、すべてを夫や子どもに捧げる必要はないと言えるでしょう。
もし、自分だけで時間を作りだすのが難しい場合には夫に相談してみるのが良いかもしれません。
自分時間を確保することでもっと良い妻、もっと良い母親でいられるというメリットを伝えることで、夫の理解も促されていくでしょう。
新しい人生をスタートさせるための時間の使いかた
毒親から植え付けられた「他人軸」の時間の使いかた、それは頑なに心にこびりつき、自分を縛り付けてしまいます。
ですが、ポイントを押さえながら時間の使いかたを理解することで、毒親の呪縛を解いていくことは可能です。
たとえば、
「世間ではこうするべき」
「母親ならこうあるべき」
といった「~すべき」的な考えかたが自分のなかにあれば、それを、
「私はどうしたいのか?」
「私にとって何が大切なのか?」
というように自分を主軸にし、それを元に時間を使っていくことが重要です。
ひとつの例としてですが、
「良い母親は手作りおやつを作るべき」
という「~すべき」的な思い込みがあるとしましょう。それを、
「私は子どもと笑って過ごす時間の方が大切」
と切り替え自分を主軸に置き、考えを変えてみる。
そうすることで「~すべき」というおやつ作りの時間が、親子で会話をしながらの楽しい時間へと変えることができるでしょう。
また、いま現在もし子育て中だとしても、自分らしい時間を諦める必要はありませんので。
ある程度の工夫は必要になりますが、やりかた次第で日常の中に「自分らしさ」を取り戻すことは十分可能です。
その際も完璧を求めるのではなく、
“少しでも自分らしい時間が持てればOK”
という、緩やかな心持ちが大切となります。
最後にですが、自分を大切にする時間を「未来への投資」として考えてみる方法もあります。
・自分を大切にする時間はより良い母親、妻になるための充電時間
・自分を大切にする時間は子どもが巣立った後の人生を豊かにする準備時間
・自分を大切にする時間は本来の自分を取り戻すためのリハビリ時間
このように、未来への投資として考えてみることで自分時間を持つことへの罪悪感は薄れますし、なにより積極的に自分を大切にできるようになるでしょう。
おわりに
今回は、少し視点を変え“毒親から奪われた「時間」を取り戻す方法”についてお話してきました。
心理カウンセラーの観点から見ても、毒親の影響から完全に解放されるには一朝一夕にはいかないと感じています。
それは、長年刷り込まれた思考パターンを変えるにはそれ相応の労力が必要だからであり、それに伴い時間がかかってしまうからなんですね。
ですが、最初から遠くを見る必要はありません。目の前の一歩一歩を確実に歩み出していくことで、いつしかゴールにたどり着いているものです。
いまから、今日から、ぜひできることを実践してみてください。
行動こそが、人生を変えるターニングポイントになりますので。
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