こんにちは。
家族問題解決専門カウンセラーの鈴木悦子です。
“アダルトチルドレン”という言葉、ひと昔前と比べいまではすっかりと定着し、多くの人に認識されていますね。
アダルトチルドレンの人は原因不明の生きづらさを抱えてしまうことは多く、
「なぜか?いつも疲れている」
「自分に自信が持てない」
「人の顔色ばかり気にしてしまう」
というようなことを感じてしまいがちです。
それは毎日の家事や子育て、仕事など忙しく、それらを完璧にこなしていたとしても、です。
心のどこかで自分を否定していたり不足感ばかりで満足感や達成感を得られないのであれば、そこにはアダルトチルドレンの要素が隠れているのかもしれません。
もし「アダルトチルドレン」という言葉にピンときたのであれば、まずはそれを理解し、適切な向き合い方を身につけることが必要です。
もし、いま現在あなたがなにかしら生きづらさを感じているのであれば、その根本には、
“幼少期の親との関係が深く影響している”
ことがほとんどなんですね。
今回は、アダルトチルドレンが抱える生きづらさの正体、そして毒親が与えた心理的影響について、カウンセリングの専門的視点から詳しく解説していきます。
また、その生きづらさから解放されるための具体的な方法もお伝えしていきますね。
目次
アダルトチルドレンとは?生きづらさを感じる人の特徴
アダルトチルドレンとは、機能不全家族で育った人が大人になっても抱え続ける心理的な特徴のことを指します。
いわゆる「毒親」と呼ばれる親の元で育った子どもはいつなにをされるかわからないため、常に緊張状態で毎日を過ごしています。
本来なら安心して甘えられるはずの家庭が「安全な場所」にはならないんですね。
「毒親」というのは子どもを支配下におきたがり、常にプレッシャーを与え続けますので、心休まる暇が無いと言っていいでしょう。
その結果、アダルトチルドレンの人にはある特徴的な傾向が見受けられます。
ここからは少し、アダルトチルドレンの人によく見られる特徴をお話していきましょう。
まず特徴の一つ目として「完璧主義」があります。
何事も100点、満点を取らなければダメだと思い込んでしまい、少しでもミスがあると自分を責めてしまいます。
子育てでも「良いお母さんでいなければ」と自分にプレッシャーをかけ過ぎてしまうことが多いんですね。
次に特徴の二つ目として「人の顔色を常に気にする」というものがあります。
相手が少しでも機嫌が悪そうだと、
「私が何か悪いことをしたのかな・・・」
と不安になってしまい、心穏やかでいられません。
夫が仕事で疲れているだけだとしても、もしかしたらそれは自分のせいなのではないか?と心配になってしまうこともあります。
3つ目の特徴は「自分の気持ちがわからない」というものです。
「いま、私は何を感じているんだろう」
「本当は何がしたいんだろう」
など、自分の感情や欲求が的確ではなくぼんやりとしか感じられないことは多々あります。
さて、お話した3つの特徴ですが、これらはあなたの性格傾向として最初から芽生えていたものではありません。
毒親の元で生き抜くため、生活をしていくために編み出した戦略であり、自分の心を苦しめないための防衛手段だったと言えるでしょう。
毒親が子どもに与える心理的影響とその仕組みとは
毒親が子どもに与える影響というのは、一見子どもに向けた愛情のように見えることもあり、なかなかそれと気づきにくいものです。
「条件付きの愛情」という、心理学的にみた毒親から子どもへ向けた特徴があります。
「良い子でいるときだけ愛してもらえる」
「親の期待に応えたときだけ褒めてもらえる」
「言う通りにしていれば優しい」
というような「○○したときだけ」という条件をつけているものなんですね。
小さな子どもはこういった条件付きの環境で育つと「ありのままの自分ではダメ、愛されない」と学習してしまいます。
また、毒親にありがちな“感情の否定”というのも大きな影響を与えます。
たとえば、
「そんなことで泣くな!」
「怒るなんていけません」
「わがままを言うんじゃない!」
と言われ続けると子どもは自分の感情を表現することが悪いことだと思い込み、感情表現をしなくなっていきます。
さらに子どもに対する“過度な期待”というのも心理的な負担となります。
親の理想や夢、希望ばかり押し付けられるなど子ども自身の気持ちや個性が尊重されない環境では、自分の価値を「他人からの評価」でしか測れなくなってしまいます。
このような環境で育った子どもは常に「どうすれば愛してもらえるか」「どうすれば怒られないか」を考えながら生活するようになってしまうんですね。
その結果として、大人になっても自分の感情や欲求よりも「相手にどう思われるか」を優先するといった思考パターンが定着します。
ここまでお話したこと、これがアダルトチルドレンが抱える生きづらさの根本的な仕組みと言えるものです。
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アダルトチルドレンが抱えやすい人間関係の悩みとは
アダルトチルドレンの人は人間関係で特有の悩みを抱えがちである、とも言えます。
それが夫婦関係であれば「夫(妻)に合わせすぎてしまう」ことがよく起こります。
夫(妻)の機嫌を損ねないよう常に気を遣い、自分の本音を言えずに我慢してしまう、というものです。
「私が我慢すればきっと丸く収まる」と考えがちですが、これは健全な関係とはとても言えません。
子育てになると「自分と同じ思いをさせたくない」という強い不安を抱えてしまうことがあります。
完璧な母親でいなければと思い詰めてしまい、少しでも子どもに厳しくしてしまうと時間が経つにつれ後悔してしまい、
「毒親になってしまった」
「なんて嫌な母親なんだろう」
「母親として、人間として失格だ」
と、自責のループに陥ってしまうことは良くあります。
また、職場や友人関係では“境界線が曖昧になりやすい”といった特徴があり、頼まれごとを断れない、相手の問題まで自分の責任だと感じてしまう、などが起こりやすくなるんですね。
いまお話したこと、これらすべてに共通しているのは、実は「嫌われたくない」という思い、気持ちの強さです。
相手に嫌われることを極度に恐れるため相手のペースや意見を優先し、自分の気持ちや考えを後回しにしてしまうんですね。
ですが、こういった状態が続くと心は疲弊してしまい、さらに生きづらさだけが増していく、という悪循環に陥ってしまいます。
人間関係での適切な距離感を保つこと、それはアダルトチルドレンの人にとって重要な課題の一つと言えるでしょう。
生きづらさを手放して心を解放していくには
アダルトチルドレンとしての生きづらさを手放す、そこから解放されるためには、
“自分がアダルトチルドレンであることを受け入れる”
ということが重要になります。
「受け入れる」というのはどういうことか?というと、
「今まで頑張って生き抜いてきた自分を認める」
ということなんですね。
あなたが感じている生きづらさの根底には“アダルトチルドレン”というものが存在しています。
その根底にあるものを否定せず、見ない振りをせず、
「私はこれまで頑張ってきたんだな」
と、それを認めていく、といった工程が必要になります。
そして、
「自分の感情を大切にする練習」
というのもとても大切であり、こちらもぜひ自分のペースですすめていきましょう。
一日の終わりに「今日はどんな気持ちだったかな」と自分に問いかけてみる。
嬉しかったこと、楽しかったこと、悲しかったこと、イライラしたこと、悔しかったことなど、それを素直に感じてみる。
慣れるまでは難しく感じるかもしれませんが、継続することでそれは習慣となり、自分の気持ちに敏感になっていくでしょう。
「完璧主義からの脱却」というのも重要なポイントです。
100点ではなく70点でじゅうぶん、ときには50点でも良い、それも合格だと自分に許可を出してあげましょう。
家事が完璧にできなくても、子育てで思うようにいかなくても「それでも私は頑張っている」と自分を褒めてあげることが大切です。
おわりに
今回は、アダルトチルドレンが抱える生きづらさの正体、そして毒親が与えた影響についてお話ししてきましたが、いかがでしたか?
もしあなたが「私もアダルトチルドレンかもしれない」と感じたら、ぜひ今回お話したことを念頭に置き、行動してみてください。
これまで感じていた生きづらさを手放す、心を解放して生きやすい自分になることは、なにも特別なことではありませんので。
これからの自分の人生を組み立てていくため、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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