こんにちは。
家族問題解決専門カウンセラーの鈴木悦子です。
他者に対して気を遣う、細かく見て配慮する、など、それらがスマートにできると良好な人間関係が築きやすく、お互い気持ちの良いやり取りができますよね。
気遣いや配慮はある意味相手を思っての行動ですので、それで嫌な気分になる人はいないでしょう。
そんな他者への気遣いや配慮ですが、度を越してしまうと心身に異変が生じたり緊張感が高まりすぎてしまうなど、自分の身体にとって逆効果になってしまうことがあります。
そしてそれは、いわゆる「アダルトチルドレン」という社会において生きづらさを感じている人に多い現象と言えるんですね。
今回は、他者への過剰な配慮をしてしまう背景、それにともなう緊張感の正体などについてお話していきましょう。
他者への過剰な配慮や気遣いは幼少期の問題
子どもへの過干渉や暴言、暴力などにより子どもを支配下に置こうとする親、いわゆる「毒親」というもの。
子どもは幼少期からその軋轢やプレッシャーにさらされていると親の顔色を伺ったりできるだけ気を遣って物事が大きくならないよう、気を回すことに慣れ、それが当たり前となってしまいます。
親の意向に逆らおうものなら大変な仕打ちが待っているので、できるだけ先回りし、物事をやりくりしようと試みるんですね。
ですが、親の機嫌ひとつで良い悪いが決まってしまうので小さな子どもの努力は水の泡となることが多く、疲弊感だけが残ってしまいます。
親の機嫌が良いときは少しの安心感を感じ生きていることにホっとしますが、いつ親の機嫌が変わるのか?わからないので、常に緊張感にさらされてしまうんですね。
もしいま現在、気がついたら他者に対して過剰な配慮や気遣いをしてしまい、疲弊感が強く残るようであればそれは他者に対して親を投影している可能性があります。
目の前の人は親ではなく赤の他人なのに、さも幼少期に接していた親に対しての配慮や気遣いをしてしまい、強い疲弊感だけが残るという現象が起きています。
顔色を伺い機嫌がいつ悪くなるか?常にびくびくしていたら、疲弊感が残ってしまうのは当たり前と言えますよね。
この状態から抜け出し、気持ちを楽に他者と接するにはどうすれば良いのでしょうか。
親の投影を無くし気持ちを楽にする方法とは?
他者を親に重ね合わせてしまい、親にするように接してしまう。いわゆる投影という現象ですが、これを他者にしている限り気持ちが晴れることはありませんし、心穏やかに他者と接することは難しいものがあります。
では諦めるのか?というと、それはそれでツラくなるだけですので、なんとかこのスパイラルから抜け出したいものですよね。
親への投影から抜け出し気持ちを楽に他者と接するには、以下3つの方法が有効です。
1、「あなたはあなた、私は私」と考えを割り切る
2、目の前の人は親ではないと意識を書き換える
3、幼少期の自分と対話する
では、ひとつずつ見ていきましょう。
1、「あなたはあなた、私は私」と考えを割り切る
当たり前のことですが、目の前の人は親ではありません。ですが、そのようにうまく割り切れないのがアダルトチルドレン的な現象と言えるでしょう。
うまく割り切れないときは意識を書き換えるように「あなたはあなた、私は私」と思考を切り替えてみましょう。
「あなたはあなた、私は私」と思考を切り替えて接することで冷静になり、親ではなく他者として顔を見れるようになっていきます。
思考が冷静になり嫌な思いをした親ではないとわかれば、過剰な配慮も気遣いも無縁となり、お互いが対等に接することができますので。
「あなたはあなた、私は私」と一旦思考を切り替えてみるのをクセにしてしまいましょう。
2、目の前の人は親ではないと意識を書き換える
1と似ているのですが、こちらはさらに「目の前の人は親ではない」と自分に強く言い聞かせていくことにより、意識の書き換えを促すものです。
何も考えず相手に接してしまうと親が重なってしまい過剰な配慮や気遣いが発動してしまいますが、冷静に「目の前の人は親ではない」と自分に言い聞かせることで意識が切り替わり、最後まで他者として見ることができます。
意識的に目の前の相手に対し親ではないと念じることで心に響き渡り、いつしか目の前の人は他者である、と切り替えができるようになります。
自分の意識がはっきり他者と認定するまで、「目の前の人は親ではない」と自分に言い続けていくのが良いでしょう。
3、幼少期の自分と対話する
幼少期の頃、毒親と接してきた人はほぼ100%心が傷ついています。
癒す手段を持っていたら別ですが、癒すことがないまま大人になることが大半ですので、大人になったいまも心の傷を持ち越しているんですね。
深い心の傷を癒すには、いまの大人のあなたから幼少期の頃のあなたに向かって優しく温かな言葉をかけてあげる、良い言葉で癒してあげるのが効果的です。
目の前に小さい自分がいることをイメージし、この子はどのようなことを言ってあげると気持ちが楽になるのか、緊張感がとれるのか、笑顔になるのか、など色々と考え、イメージの小さな自分に語りかけてあげるんですね。
最初は緊張していたイメージの小さな自分も、たくさん温かな言葉で語りかけてあげることでいつしか傷も癒され、ホっとした笑顔を取り戻すでしょう。
イメージの小さな自分の心の傷が癒されるということは、大人のあなたの傷が癒されたということです。
たくさん小さな自分に語りかけ、傷を癒してあげましょう。
終わりに
先ほども軽くお話しましたが、多くのアダルトチルドレンとして育った人は心に傷を持ったまま大人になっています。
幼少期の痛みがわかる、理解できるのは大人になったあなただけです。
ぜひ、恥ずかしがらずに小さな頃の自分に温かい言葉をかけてあげましょう。
そして、傷がしっかりと癒されたとき、はじめて他者を親として見ない、あなたはあなた、私は私であるという垣根が生まれます。
ぜひ自分を信じ、お話した3つの方法を試してみてくださいね。
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