こんにちは。
家族問題解決専門カウンセラーの鈴木悦子です。
長女や長男、いわゆる「一番最初に生まれた子ども」というのは親の影響をとても強く受けやすい傾向にあります。
長男は母親から見たら異性ですので、どちらかというとそれほど影響を受けることはありません。
しかし、長女は母親と同じ同性ということもあり過度な期待の押しつけや強いプレッシャーなど与えられ、精神的に疲労困憊しやすいと言えるでしょう。
長女に生まれてしまったがためにツラく苦しい思いをしている女性は多く、素敵なパートナーと出会い結婚し家庭を持っても、過去の母親とのトラウマが顔を出し、パートナーとの関係性が崩壊してしまうケースもあるんですね。
今回は、毒親を持ってしまった長女はどのような性格傾向、気持ちを持ちやすいのか?様々な角度から紹介していきましょう。
毒親から長女への期待は想像以上に大きい
親として妊娠し初めての出産ともなると不安やプレッシャー、肉体的負担の波に飲まれやすいものです。
そのような中、無事に我が子を出産した母親は心から安堵しますが、同時に長女に対し強い期待と「しっかり育てなければ」という新たなプレッシャーを感じます。
初めての子育てはわからないことも多く、いくら事前勉強していても机上と現実は違いますので、戸惑うことも多いもの。
また、生まれたときから長女に対し強い期待としっかり育てるというプレッシャーもついてきますので、年齢は関係なく厳しい態度やしつけなどが見られ、子どもも子どもらしさを失いやすい傾向にあります。
母親の厳しい態度、時として激しい口調の中で育つ子どもはどんなにおかしな言いつけや言いがかりでも「言われる私が悪い」と捉えるようになり、自分の心を置き去りにしてしまい、どんどん母親の精神的な面倒を見る方向に傾いていってしまうんですね。
幼少期からすでに子どものように振る舞ってはならない、私の言うことは絶対だ、というような手かせ足かせを嵌められてしまい、精神的や肉体的自由を奪われてしまいます。
毒親育ちの影響で常に自分が悪いと思いこむ長女の心理
初めての出産、初めての子育てで様々なプレッシャーを感じ、良い子に育つようにと母親としての責任はとても強いものがあるでしょう。
ですが、その責任の強さから育てられる子どもはたまったものではなく、精神的にどんどんと削られていってしまうんですね。
また、どこかのタイミングで母親が再度妊娠し長女に妹もしくは弟ができると、母親はさらに長女に対して強く当たるようになります。
毒親は長女のしつけとは違い、妹や弟には比較的穏やか、ゆとりある接しかたをするのも特徴のひとつであり、長女は「なぜ自分だけこんなにツラい思いをするのか?」と薄っすら疑念を抱いていきます。
「お姉ちゃんでしょ!」「お姉ちゃんなんだから!」「お姉ちゃんなんだからしっかりしなさい!」など、上であることを意識づけさせコントロール下に置く、というのは毒親の教育として良く見受けられる光景です。
ですが、この状態を客観的に見た場合、この長女がどれだけ心に傷を負い、どれだけ精神的に削られ、それでも毒親の言いつけに対して真摯に対応する姿は将来的に自分自身を見失ってしまう、自分を置き去りにしてしまう可能性があると言えるでしょう。
最終的には「すべて自分が悪い」と思い込むことで納得し、気持ちを落ち着かせてしまいます。
毒親育ちの長女はどうすれば幸せになれるのか?
ここまで毒親に育てられて長女についてお話してきましたが、いかがでしょうか?
「私がそうだった!」と思う人もいれば「私はちょっと違うかな」と思う人、いろいろあるかもしれませんね。
さて、では毒親育ちの長女、幼少期から様々なプレッシャーを受け親の精神的な面倒を見て、良い子としてここまで来ましたが、心から幸せになるにはどうしたらいいのでしょうか?
毒親育ちに良く見られる傾向として「自分は幸せであってはならない」というものがあります。
他人より苦労する、つらい思いをする、他者を優先するのは当たり前、という感覚を持ち、自分の幸せに対して強い抵抗感がある、という感覚です。
このような場合、自分自身が幸せになっていくためにはまず、
“自分自身との対話で自分を癒していく”
という作業が必要となるんですね。
うまくできない自分を責めたり、自分を追い詰めてしまいがちですが、あえて自分と対話を積み重ねることで「自己再養育」していくことが必要になります。
イメージとしてはインナーチャイルド(自分の中にいる小さい子ども)に話しかけるように、優しく温かく言葉をかけてあげます。
・今日も一日良く頑張ったね、いつもえらいよね
・つらくて嫌なことはやらなくていいよ
・もっともっとサボって自分を甘やかしてもいいよ
・悲しかったら泣いてもいいんだよ
・何も考えず今日はたくさん楽しもうね
・毎日一生懸命努力してるよね、私は知っているよ
など、優しくて温かな言葉であれば大丈夫です。
言い慣れていないと言葉が思い浮かばず伝えるのを止めてしまいがちですが、心を回復させる一環と思い、ぜひやってみましょう。
自分の心を大切にしてあげる、他の誰でもない自分が自分を守ってあげる、という気持ちがしっかり芽生えると他者に対しても本当の意味で思いやりを持てるようになり、愛情というものが理解できていきます。
自分を責めてしまう、自分につらく当たってしまう、自分が許せないなど、そんな時こそ自分自身への労りが必要です
終わりに
幼少期、毒親の影響から心に深い傷を残したまま大人になる人はことのほか多いものです。
自分では気づかないことが多いですが、常に自分を責めてしまう、他者を優先し過ぎてしまう、自分は幸せになってはいけないなど、そんな気持ちがあれば、ぜひ自分を労りましょう。
もうあなたはしっかりとした大人です。誰に何も言われない、幸せになる権利はありますよ。
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