「親のようにはならない」という気持ちを持っていてもいつしか親のようになってしまう

 

こんにちは。

家族問題解決専門カウンセラーの鈴木悦子です。

 

幼少期の両親とのつらく苦しい体験から、

 

「あんな親のようには絶対にならない!」

 

と心に決め、自分は親と違うと常に言い聞かせながら生きている人はことのほか多いものです。

 

ですが、特に子育ての場面で多いのですが、気がついたら幼少期の頃に自分が親にされていたことをそのまま自分の子どもにやってしまっている・・・・・。

 

これも結構多いお悩みのひとつですね。

 

なぜ、「親のようにはならない」と心に決めて生活しているにも関わらず、気がついたら親を模範しているのでしょうか。

 

実は、これもまた「親からの呪い」ということに繋がってしまうんですね。

 

なぜ気にかけていても親の模範をしてしまうのか?

 

過去、両親とのつらく苦しい関係性から「親のようにはならない!」と決めたにも関わらず、なぜ気がついたら親の模範をしているのでしょうか?

 

これはとても不思議なことですよね。

 

気がついたら親の模範をしている、というのはそもそも意識的におこなっていることではなく、無意識でおこなっています。

 

無意識の領域であるからこそ最初は気がつかず、どこかのタイミングでハッ!とわかってしまうことがとても多いんですね。

 

なぜこのようなことが起こってしまうのか?

 

それは私たちが子どもの頃、ほぼすべてにおいて親からの影響をストレートに受け、それが自分の中にインストールされてしまうからです。

 

人間が何かをできるようになる、例えばご飯の食べかただったり靴下の履きかた、トイレのしかた、箸の持ちかた、座りかた、話しかた、コミュニケーションの取りかた、など、日常生活の基礎となるものはほぼすべて親からのしつけや教育によって身についています。

 

しつけや教育というのはある意味親の考えかた、感じたか、物事の見かた、物事の捉えかたなどが含まれており、知らず知らずそれらを小さな子どもはインストールし、日常生活の作法を身につけていくんですね。

 

ですので、そのしつけや教育があったからこそ大人になったいま、日常生活の作法が活きています。

 

子どもの感性、感覚というのは汚れのないまっさらなスポンジのようなもので、どんどん吸収していき、どんどん自分のものにし、そして生涯消えない記憶として固着します。

 

そして実は、そのように子どもの頃インストールされたものは親の考えや感じかたなど価値観自体も含まれているので、親の価値観自体も自分のものにしてしまうんですね。

 

ハッ!と気がついたら親と同じことをしていた・・・というのは、この親の価値観自体のインストールの影響であり、固着している分気をつけていても修正することはなかなか難しいものです。

 

でも、そうは言っても親からの影響を自分は出したくないし、子どもにもしたくない、というのが本音だと思います。

 

このような状況から抜け出すにはどうすれば良いのでしょうか。

 

「親のようにはならない!」という執着を捨てること

 

人間とは不思議なもので、やりたくないこと、嫌いなこと、見たくないものなど「絶対にやらない!」と強く決心すればするほど意識に上ってきてしまい、頭から切り離すことができません。

 

知らず知らずそれは「執着」という概念に形を変え、執着から逃れられなくなってしまいます。

 

では、この執着を手放すには、この概念から逃れるにはどうすればいいのでしょうか?

 

それは、

 

「親のようにはならない!」という考えを捨て、「私はそれでも私である」という考えを持つ

 

ということがとても大切です。

 

先ほども述べたように親からのしつけや教育というのは親が感じている価値観も含まれています。

 

その価値観というのはある意味親からの呪いでもあり、そのようにすべき、という念が込められているんですね。

 

そして、その価値観という呪いは「親のようにはならない!」と決めて念じれば念じるほど逆に発動してしまいます。

 

念じれば念じるほど親のようになってしまう、ということなんですね。

 

これはとても恐ろしいことですが、人間の特性であるとも言えるでしょう。

 

ですので、「親のようにはならない!」と決意しそれに執着するのではなく、「それがあっても私は私である」と認め受け入れていくことで、少しずつ親からの呪いは解かれていきます。

 

人間が持つ感情というのは、否定したり拒否すれば大きく膨らみ、逆に認め受け入れることで小さく縮まっていきます。

 

それと同じように「親からの影響があっても私はそれでも私である」と認め受け入れていくことができれば執着は自ずと縮まっていき、いつしか自分のオリジナリティーが発揮されます。

 

親からの影響に気がついたとき、親の模範をしているとわかったとき、

 

「親からの影響があっても私はそれでも私である」

 

という言葉を自分に投げかけ、自分のものとしてインストールしていきましょう。

 

それを続けることができればきっと、どこかのタイミングで親の呪縛が外れていることに気がつくでしょう。

 

終わりに

 

幼少期、親からの影響というのは強力なものであり、権限のない子どもの頃は自分の意に反しても親に従う必要がありました。

 

ですが、大人になったいま、自分の意に反してまでも親の呪縛に従う必要はなく、あなたはあなたの生きかたを見つけ、より良い家族関係や親子関係を築くことができます。

 

「親のようにはならない!」と決めるのではなく、「それでも私は私である」という気持ちをセットし、ぜひあなたのオリジナリティーを活かしてみてくださいね。

 

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