こんにちは。
家族問題解決専門カウンセラーの鈴木悦子です。
全員ではありませんが、毒親育ちの人のなかには、
「もしかしたら、私は二重人格なのかも・・・」
と、悩んでいたり戸惑ってしまう人がいます。
二重人格というのはその言葉とおり人格が2つ重なっていることを意味していて、ドラマや映画などで知っている、という人もいるでしょう。
なぜ自分は二重人格かもしれないと考えるのか?それは、たとえば、
「外では明るく振る舞えるのに、家では急に涙が止まらなくなってしまう」
「人前で笑っている自分が“本当の自分”ではない気がする」
「夫や子どもに優しく接したいのに、心がついてこない」
など、表向きと裏向きの顔が違うというようなギャップを感じており、それゆえ二重人格ではないか?という疑問を持っているんですね。
子どもという存在は毒親の環境で育つと、本音を押し込め、周りに合わせる“偽りの自分”をつくりやすくなります。
その結果として“外側の自分”と“内側の自分”がズレてしまい、まるで二重人格のように感じてしまいます。
子どもの頃、無意識とはいえ外側の自分と内側の自分をズレさせなければならないほど、毒親からのプレッシャーなどは相当だったのだと思います。
今回は、毒親育ちが二重人格のように振る舞う理由、日常生活ではどのような影響が出るのか?今日からできる心を守る方法などについてお話していきましょう。
目次
毒親育ちが「二重人格のように振る舞ってしまう」本当の理由
違う記事でも何回かお話をしていますが、毒親のもとで育った人は小さい頃から怒られないよう、嫌われないよう、“親の顔色を伺ってしまうクセ”が身についています。
顔色を伺って日々を過ごすということは、顔色を伺うために自分に常に命令しているということ。
このような状態がずっと続くと、自分のなかにある本当の気持ち(本音)を押し込めることが日常化し、周りに合わせるための自分を作らざるを得なくなってしまうんですね。
その結果として、
外では明るく振る舞う“外側の自分”
家庭内では不安や孤独を抱えた“内側の自分”
このように2つに分裂しやすくなり、私って二重人格では・・・?という違和感につながってしまいます。
そして「本音を出したら嫌われる」という不安もありますので、自然体での人間関係構築が難しく、人間不信にもつながってしまうことも多々あります。
二重人格のようになると、日常生活にどんな影響が出る?
普段から屈託なく日常を過ごせる、温和な気持ちで毎日を過ごせるというのは素晴らしいことですよね。
しかし、毒親育ちの人はどうしても様々な場面において“二重人格のような状態”に苦しむことがあります。
ここからは、どのような場面で苦しんでしまうのか?代表的な場面を用いてお話していきますね。
良い妻・良い母を演じてしまう疲労
完全・完璧主義なところが子どもの頃から身に着いて染みており、それゆえ何ごとにおいても「ちゃんとしなければ!」とがんばり過ぎてしまうこと、ありますよね。
それが家庭でも顕著に表れてしまい、心身ともに疲れていても「良い妻・良い母」をつい演じてしまう。
それが繰り返されると精神面で削り取られてしまい、気がついたら無気力や感情が爆発する、ということがあります。
外出先では明るいキャラクターだけど家に帰ると力が抜けて泣けてくる
外出先でも家庭内でも、基本的に「ちゃんとしなければ!」という気持ちが強いので、それにともない身体は緊張に包まれています。
外出先から家に帰ると、緊張感が抜けたことで一気に感情が溢れてしまうことがあり、涙が止まらないこともあるでしょう。
特に知らない人が多い場所や初めての場所、緊張を伴う場所などから帰宅すると、この傾向に陥ってしまうことがあるようです。
感情を抑え続けて“爆発”してしまう
毒親育ちの人は何かにつけ我慢することに慣れている傾向にあり、それによって知らず知らず感情が抑えつけられています。
たとえばですが、仕事や家庭で強いストレスが溜まっており、それがしばらく発散できずにいるときなど。
急にせき止めていたものが崩壊し、普段はなんでもないことでも強い怒りや悲しみが止まらなくなることがあります。
まさに感情が“爆発”したような状態となり、場合によってはセルフコントロールが効かないなんてことも。
夫のちょっとした八つ当たりが心をエグる
普段は仲の良い夫婦でも、そこは人間ですので嫌なことや気にくわないことがあれば、感情的になってしまうこともあるでしょう。
特に仕事というのはいくら慣れていても嫌なことがあるとストレスが溜まりやすく、場合によっては一日中イライラ感が消えない、なんてことも。
仕事でのイライラが収まらず、ちょっとしたことで夫が妻に八つ当たりをしてしまい、それにより心がエグられてしまうのはツラいですよね。
夫からの八つ当たりではありますが、心の奥底では毒親の影響により「否定される=自分の存在を否定される」と感じてしまいやすく、さらに自己否定や罪悪感を強め、苦しさの悪循環をつくってしまいます。
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心の中で何が起きているのか?二重人格のようになる仕組みについて
何かしらの結果には、そこに行き着くまでの原因や要因というのが存在しています。
毒親育ちの人が“二重人格のような状態”になりやすい背景、そこにはもちろん原因や要因が存在しており、仕組みが築かれています。
ここでは心のなかでなにが起き、二重人格のような状態になりやすいのか?心理的な仕組みについてお話していきましょう。
「本音の自分」と「周りへの自分」の乖離
毒親育ちはどうしても他人の前では本音を出しづらく、本音とは離れた自分を出してしまいがち。
自分のなかに「本音がある自分」と「周りへ見せる自分」が存在しており、その2つが場面に応じて出てしまうため、二重人格のような振る舞いになってしまいます。
本音を出せないということは「人から嫌われたくない」という気持ちの表れでもありますので、その気持ちが強いほど本音は遠ざかってしまいます。
インナーチャイルド(内的な自分)が傷ついたまま
毒親というのは子どものそのままの存在を認めようとせず、自分に都合の良い「子ども像」を埋め込もうとします。
それゆえ子どもらしさという自然体ので自分では認められないことが多く、
「私は認めてもらえない」
という小さな頃の痛みが大人になっても心に残ります。
この痛みは放っておくと肥大化してしまい、「もっと認めてもらわなければ!」という信念を打つ出してしまい、がんばって、疲弊して、という負のループに陥ってしまいます。
自分の心を守るため強くあろうとする
小さな頃から傷つくことが多く、自己防衛として「心を守る」というクセを身に付けてきた人は多いものです。
心が傷つかないよう、本当は大丈夫ではないのに無意識で常に「大丈夫なふり」を周りに見せてしまうので、自分の気持ちは置き去りにされてしまいます。
これがくり返されると自分の感情が分からなくなる、という弊害が起こり、大丈夫という気持ちだけが前に進み、心身は蝕まれてしまいます。
二重人格のつらさを軽くするために今日からできる心の整えかた
「本音の自分」と「周りに見せる自分」、前面に大丈夫を出してしまうなど、普段から何気なくおこなっていても心身は正直ですので、身体にダメージは残ってしまいます。
心は一旦バランスを崩すと脆く、コントロール不可となってしまうこともあるんですね。
そうならないよう、ここからはいまできる範囲で心を整えていく方法についてお話していきましょう。
心のなかにある本音を吐き出してしまう
「本当はがんばりたくないし、良い人間を演じたくない」
「疲れていて元気がないのに、なんでもないように振る舞ってしまった」
「あーもう!本当に嫌!!イライラするーー!」
など、心になかにある本音を外に吐き出してしまいましょう。
1分でも5分でも良いので自分時間を作り、誰も聞いていないところで独り言をバーッとぶちまけてしまいます。
大切なことは「こんなことを思う、考えたら悪い」という気持ちを外すこと。
ただただ、あなたのなかにあるわだかまりや本音を見つめ、それをキレイに吐き出してスッキリしてしまいましょう。
信頼できる相手やプロの専門家に少しだけ本音を出してみる
これまで他人に対して本音を偽り周りへ見せる自分を演じてきた時間が長ければ長いほど、心は本音を出すことを拒否しがちです。
ですが、自分の心を守っていくため、心をしっかり整えていくためには、ちょっとずつでも本音を出していくことは大切です。
他人に対していきなり全部言わなくてOK。
「最近ちょっと疲れてて・・・」
など、遠回りな言いかたでも、それだけで十分です。
もちろん、一気に本音を出したい、話したいのであればそれもOKです。
心理カウンセラーなどプロの専門家であれば、ちょっとした本音から色々と拾い上げてくれますので、スムーズに会話のキャッチボールができるでしょう。
おわりに
二重人格のように感じてしまう、振る舞ってしまうのは、幼い頃から毒親に対し必死にがんばって生きてきた証とも言えるもの。
それを一気に変える必要はなく、あくまでちょっとずつ、勇気を持ってささやかに出していくことが大切です。
今回お話したことを参考に、ぜひ小さな行動を日常に取り入れ、心を軽くしていってくださいね。
~毒親問題・家族問題・親子問題の苦しみを軽くして、毎日を笑顔で過ごすために~
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