こんにちは。
家族問題解決専門カウンセラーの鈴木悦子です。
現在は夫婦ともに共働きのご家庭が多いですが、基本的に世間では、
「母親が家事をして家を守る」
「父親が仕事でお金を稼ぎ家庭を安定させる」
といった風潮がありますよね。
母親は子育てをしながら全般の家事をこなし、父親は外で仕事をして収入を安定させながら家族を食べさせていく、といったものです。
これは日本だけではなくほぼ全世界共通の認識だと思います。
これは基本的なことですが、母親も人間であり父親も人間ですので、完全であり完璧ではありません。
ですが、子どもから見ると両親は完全であり完璧に見えますので、その完全であり完璧であるべく母親、父親が何かしら自分の理想から離れる行動をすると、子どもは途端に不機嫌になったり感情的になることは良くあります。
これは子どもから見た両親の理想が遠くなってしまうことの恐れと不安であり、家族内のバランスが崩れるきっかけになるかもしれないんですね。
今回は、父親と母親という立場、子どもに与えてしまう影響についてお話していきましょう。
子どもは親に完璧な理想像を求める
先ほども少し申し上げましたが、子どもというのは親に対して自分なりの理想を求めてしまいます。
友達の家の両親を見てそれに憧れを抱いた場合など、自分の両親と比べてしまい、そのギャップに大きく悲観します。
そして、場合によっては親に理想を伝え、それが叶わないとなると癇癪を起し親を困らせてしまうこともあるでしょう。
これは、自分の親はとってもすごいんだぞ!偉大であり普通の親とは違うんだぞ!といったことを周りにアピールしたいがためであり、それだけ親のことが好きだといった現象なんですね。
また、子どもは親が考えつかないような思考のなかで生きていますので、共感できず理由がわからずに子どもを頭ごなしに叱る、怒る、といったこともあるでしょう。
場合によっては子どもの発言を親がプレッシャーに感じてしまい、それを払拭するように態度を荒げてしまうこともあります。
大人の思考での解釈、子どもの思考での解釈には大きな違いがありますので、そのギャップに親は困ってしまうんですね。
これはしょうがないことでもありますが、子どもが親に対して意味が分からず理由が不明なことを述べている場合は、両親は自分にとって完全であり完璧な存在と感じているゆえの行為と言えるでしょう。
父親と母親いうのは役割であるという考えかた
世の中、社会には小さなものから大きなものまでいろんな役割があります。
例えば学校や職場、学びの場などの先生であったり講師、スーパーやコンビニなどの店員さんや店長さん、工事現場で働く職人の方々、中古車販売店のスタッフなど、主に社会人として役割ですね。
家庭のおける両親という立場も同じであり、親というのはあくまで役割であって、それがその人の気質や人格、性格ではありません。
世の中には親の立場に向いている、向いていないといった性格上の観点から見られることもあります。
様々な虐待、DV、ネグレクトなどを子どもに対しておこなう人は親という立場、子育てに向いていないと言えるかもしれません。
また、自分よりも子どもを優先する、子どもの成長に期待して見守る、というのは親という立場に向いているかもしれませんね。
社会人としての役割と同じく、親という立場はあくまで役割であり、親という生き物ではない、という考えかたは大切で、親の心的負荷を減らしていくのに役立ちます。
子どもの理想に従おうと頑張って親を演じ、それにより心的負荷がかかることもあるでしょう。
心的負荷がかかりすぎてしまい、子どもを大切な存在だと認識していながらもついキツイ言葉を浴びせてしまう、子どもに強くあたってしまう、ということもありますよね。
子どもの寝顔を見ながら謝る、ダメな親でごめんなさいと寝顔に伝えるなど、このような行為は理想の親に近付けないことに対しての気持ちの表れと言えます。
ですが、やはり親というのは立場であり役割ですので、同じことが繰り返されることも良くあります。
親として心を整理する、気持ちを整えるのに大切なことは、
“親というのはあくまで立場であり役割であり、親の前にひとりの人間である”
と改めて腑に落としていくこと、思考を変化させていくことです。
これを理解したうえで子どもに接すると心に余裕が生まれ、親という立場、役割に振り回させることが少なくなります。
大切な子どもと有意義に接していくため、そして自分の心を守っていくためにも必要な考えかたと言えますね。
終わりに
子どもというのは親が大好きなあまり、ついつい無理な要求をしがちです。
親もまた、その要求にこたえるべく頑張ってしまうこともあるでしょう。
ですが、今回のお話を反芻してみると、親として自分の心と身を守るためには親は立場であり役割であると気がつくことが大切です。
そこに気がつく、思考が行き届くと強力な心的負荷からも解放され、ある意味健やかに子育てができるでしょう。
今回のお話を頭の片隅においておくだけでも、気が楽になるかもしれませんね。
コメントを残す