こんにちは。
家族問題解決専門カウンセラーの鈴木悦子です。
「また私の気持ちより、お義母さんのことを優先するの・・・?」
夫のお義母さんへの態度を見て、そう感じたことはありませんか?
夫が姑の味方をしてばかりいると、まるで自分の気持ちが軽んじられているように感じてしまいます。
姑の言動に傷ついても夫は、
「母さんはそんなつもりじゃないよ」
「悪気はまったくないんだからさ」
など、さらっと話を流してしまう。夫にそんな態度を取られるたびにモヤモヤが募ってしまいますよね。
そんな不安が頭をよぎり、イライラしてしまい夫にぶつかりたくもなるでしょう。
実は夫が姑の味方をするのは単に「母親が好きだから」だけではありません。
そこには家庭環境や心理的な要因が関係していることがほとんどなんですね。
今回はよく話題に上る「嫁姑問題」をテーマに、夫の心理をカウンセリング視点で解説しながら心を守りつつ、夫婦関係を良好に保つ方法をお伝えしていきましょう。
なぜ夫は姑の味方をするのか?心理学的な視点で考える
心理学の視点から見ると、夫が姑の味方をするというのはいくつかの背景が存在します。
まず、これは無意識なのですが「親の期待に応えたい」という思いがあります。
子どもというのは長年、母親の価値観の中で育ってきたことがほとんどです。
親の期待に応えること、親の意見などがすべて「正しい」と思い込んでいると、結婚後もそのスタンスは変わらず、妻よりも母親を優先してしまいます、
次に「母親を否定すること=罪悪感」につながるケースがあります。
夫にとって姑(母親)は人生で最も長く関わってきた女性であり、肯定するべき相手という認識があります。
とくに男性にとっての母親というのは特別な存在となりますので、否定することで悲しませたくない、という気持ちも生まれています。
それにより、母親の意見を否定することに強い抵抗感がある、という考えが生じているんですね。
さらに「妻と母親間では中立でありたい」という心理も働くことがほとんどです。
「嫁と母親の間に挟まれるのは面倒(大変)だからできるだけ波風を立てたくない」
と考え、結果的に姑寄りのポジションを取る夫も多いものです。
夫という立場の男性、実はこうした背景が色濃く存在していることは多々あります。
このような背景を知っておくことで、
「夫はわざと私を傷つけているわけではないんだ」
というふうに理解が進むのではないでしょうか。
ですが、妻として気持ちがつらい、苦しいのも事実。
では、そんな夫にどう気持ちを伝えればいいのか?次の章でお話ししていきますね。
夫を責めずに気持ちを伝える「I(アイ)メッセージ」の有効性とは
「なんでお義母さんの味方ばかりするの!?」
「私の気持ち、全然わかってないよね!」
ついつい感情的に気持ちを伝えてしまったこと、ありませんか?
このように責めるような伝えかたをされると夫は「攻撃された」と感じてしまい、心が防衛的になってしまいます。
結果的にまったく話し合いにならず、さらに関係がこじれてしまうことも・・・。
このようにならないよう役立つのが、ここでご紹介する「Iメッセージ」という伝えかたです。
簡単に説明すると“Iメッセージ”というのは「私」ということ。
“Iメッセージ”の対義語は“Youメッセージ”となり「あなた」ということになります。
たとえばですが、
「あなたが(Youメッセージ)○○するからダメ!」という伝えかただと相手を責めている、否定感が強くなってしまいますが、
「私は(Iメッセージ)○○と感じる」と伝えてみることで印象がガラっと変わり否定感は影を潜め、相手に伝わりやすくなります。
(具体的なIメッセージの例)
×「なんでお義母さんの肩ばかり持つの!?とても気分が悪い!」
〇「お義母さんの肩を強く持たれると、私は寂しく感じるんだよね」
×「私の気持ちを全然わかってくれてないでしょ!!」
〇「私の気持ちをわかってもらえると、すごく安心するんだー」
上記のように「相手」を主語にせず「私」を主語にして気持ちを伝えると、夫も比較的穏やかに受け止めやすくなります。
また「具体的にしてほしいこと」を伝えるのも効果的です。
「私の気持ちをもっと大事にしてほしい」という伝えかたは漠然とし過ぎていて、伝わりにくい印象ですよね。それを、
「私の話を最後まで聞いてくれると嬉しいな」とふうに伝えてみると、夫も理解が進み行動に移しやすくなるでしょう。
夫と冷静に話し合う、お互いが傷つけあわないためにも、まずは「Iメッセージ」を意識してみることをおすすめします。
姑の言動にいちいち振り回されないための思考法とは
夫がつい姑の味方をしてしまうのはある程度理解ができたかと思います。
ですが、頭ではわかっていても、それでも姑の肩を持たれると「私の気持ちはどうでもいいの?」と悲しくなりますよね。
夫を変えようと頑張りすぎるとかえってストレスが溜まってしまうことも・・・・。
そんなときは“自分の心を守ること”を最優先に考えると良いでしょう。
まず意識しておきたいのが「相手を変えようとしない」ということ。
姑の価値観や夫の考えを無理に変えようとするのはとても難しく、なかなか簡単にはいかないものです。
それよりも「私は私の考えを大切にしていい」と思うこと、感じることがとて大切なんですね。
次に大切なのは「自分軸」を持つことです。
姑や夫にどう思われるか?ではなく「私はどうしたいのか?」を意識するようにしましょう。
「私は私の気持ちを大切にする」
「嫌なことは嫌と言っていい」
というふうに自分に許可を出してあげる、許すことは気持ちを楽にするために必要です。
また、あえて“距離を取る”という勇気もとても大事です。
姑との関係で心がつらい、しんどいときは無理に仲良くしようとしないこと。
少し距離を置いてみるのもひとつの大切な方法です。
夫に対してもすぐに理解してもらおうと焦らず、時間をかけて少しずつ話していくことが大切なんですね。
最後に“自分を癒す時間を持つ”ということもとても大切です。
好きなことや趣味に没頭したり、信頼できる人に話を聞いてもらったりするなど、ストレスをため込まない、軽減させるようにしましょう。
姑や夫が楽になることではなく、あなたの心が穏やかでいられることが何と言っても一番大切です。
終わりに
今回は夫が姑の肩を持つ心理学な視点、Iメッセージな伝えかたなどお話してきました。
普段は夫婦として仲が良くても姑が絡むとなぜか仲がこじれる、というのは良く聞くお話です。
家族でありパートナーである夫との関係性がギクシャクすると家のなかも居心地が悪く、嫌な感じがするもの。
そうならないため、今回お話した内容を実践していただき、例え姑が間に入っても心穏やかでいられることが大切です。
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