子育てにおける「大きな過ち」とはいったい何か?

 

こんにちは。

家族問題解決専門カウンセラーの鈴木悦子です。

 

今も昔も子育ての大変さは変わらず、子どもの成長が楽しい一面もあればなかなか意思疎通ができず、イライラしてしまうこともあるでしょう。

 

それでも毎日毎日小さな命に気を遣い、より良く子どもが成長していけるように育てていくのは本当にすごいことです。

 

いまは世間的にお母さんだけではなくお父さんも子育てに参加する時代ですので、夫婦一緒に喜怒哀楽を共にしながら育てていくのも将来的には良い思い出になるかもしれませんね。

 

さて、そんな子育てですが、一生懸命育てているつもりでも何かしら子どもとの間にズレが生じてしまい、後に大きな歪みとなって表れてしまうことがあります。

 

大きな歪みというのは例えばですが、大人になってから部屋から出てこようとしない、いわゆる「引きこもり」。

 

自分を傷つけることで生きている実感、安心感を感じる「リストカット行為」。

 

生きている理由がわからない、心に負った何かしらの強いダメージによる「自殺行為」。

 

など、手塩にかけて育てた子どもがそのような行為に及んでしまうのは親としてつらいものですし、強い悲しみに囚われてしまうでしょう。

 

ですが、実はこのような子育てにおける大きな歪みというのは、子育ての期間を通し親が何かしら「大きな過ち」を犯している可能性があります。

 

いったいどのような親の過ちから子育ての大きな歪みが生まれてしまうのでしょうか。

 

親であれば陥りやすい2つの大きな過ち

 

子育てにおいて、子どもを追い詰めようとして育てる親はまずいません。

 

ですが、ほぼ無意識のうちに子どもを追い詰めてしまい、結果的に大きな歪みが生じてしまうことは少なくありません。

 

他の誰かではなく親だからこそ陥りやすい大きな過ちがあり、それは大きく分けて2つあります。

 

親だからこそ陥りやすい大きな過ちとはなにか?ですが、それは、

 

子どものやること成すことを無意識で信じきれていない

折れないように負けないように育ててしまう

 

という2つなんですね。

 

ここからは1つずつ説明をしていきましょう。

 

子どものやること成すことを無意識で信じきれていない

 

子どもが何かするときについ声をかけてしまう、何か成そうとするとつい心配してしまう、など。

 

親であれば我が子が何かするときに心配したりこうすればもっとうまくできる、と考え声がけしてしまうのは当然と思えるものですよね。

 

これらの行為は親であれば1度は経験しているのではないでしょうか。

 

しかし、実はこういった行為は子どもの自尊心や自己肯定感を下げてしまう可能性があり、成長していく過程で自信が持てず、心を閉ざしてしまう恐れがあります。

 

人間には「自己承認欲求」という、自己肯定感や将来的に自信につながる本能的な欲求があります。

 

子どもというのは自分がやったこと、おこなったこと、進めてみたことに対して喜んでもらいたい、褒めてもらいたい、笑顔で接してもらいたい、という気持ちがあり、褒めてあげるととても喜びますよね。

 

子どもがやることですので完璧ではありませんし、むしろうまくやれない、できないことのほうが多いでしょう。

 

親というのは大人の思考を持っていますので、心のどこかで完璧であり完全が大切、やれないよりやれることが重要、という軸を持っています。

 

ですが、その親の思考を子どもに当てはめて心配してしまう、声がけしてしまうと子どもは親に褒められない、認めてもらえないという気持ちが強くなり、自己肯定感は目減りしていってしまいます。

 

うまくやれなくても、できなくても、例え失敗しても満面の笑顔でそれを認め褒めてあげることで子ども心の軸が作られ、それにより強くしなやかな自己肯定感や自信が育っていくものです。

 

親としてはうまくできない子どもに対して歯がゆい気持ちになってしまいますが、それはそれとして思考を切り替えて、心を育てていく気持ちで接することが大切です。

 

折れないように負けないように育ててしまう

 

人間社会というもの、世間では実は勝つことよりも負けることのほうが圧倒的に多いものです。

 

野球の世界ではバッターが打率3割を超えるというのはすごいことで、打率というのはヒットやホームランを打てる確立が高い選手を表す指標のことです。

 

打率3割を簡単に言うと、10回バッターボックスに立って3回は打てる、という確率のことですね。

 

10回中3回打てればすごいバッターと言われますが、それを社会に当てはめるといかに社会では勝ち続けることができないか?わかると思います。

 

10回バッターボックスに立ち10回打てるバッターはいません。しかし、親は子どもの成長において無意識のうちに10割打者になるよう育てようとします。

 

いわば、折れないように負けないように育てようとしてしまうんですね。

 

折れない、負けないという強さはとても大切なのですが、小さい頃から何をすれば負けるのか?何をすれば折れてしまうのか?

 

それらを経験していないといざ社会人として世間に出たとき、経験が無いばかりに社会人として負けるつらさや苦しさ、悲しさに耐えられず、最悪は命を絶とうという結論にいたるかもしれません。

 

成長段階において何かで負けること、折れることは決していけないことではありませんし、ダメなことでもありません。

 

例えばですが、トレーニングなど筋肉に負荷がかかる運動をすると、運動に慣れていなければ筋肉痛になりますよね。

 

筋肉痛は筋細胞が一旦断裂し、新たな筋肉をつけるための、いわば儀式のようなものです。

 

ですので筋肉痛を乗り越えた数日後には強くしなやかな新たな筋細胞が生まれ、筋肉として定着します。

 

人の心も同じであり、成長過程で負けること、折れることを経験しておくことでつらさや苦しさを生みだし、それを乗り越えることで強くしなやかな折れない、負けない心が育まれます。

 

親として心配してしまう気持ちもありますが、あえて口を出さず手を出さず、見守っていく。

 

将来的に強くしなやかで折れない心が育まれることを信じ抜く。

 

そうしていくことでいつの間にか考えかた、物事の捉えかたも柔軟になり、世間の荒波に飲まれても泳いでいける子どもに育つでしょう。

 

終わりに

 

親が子どもを心配する、うまくできるように声がけするのは当然であり、我が子を思うからこそですよね。

 

ですが、将来を見据えたうえであえて心配するのをやめる、子どものやること、成すことを信じてみる。

 

子どもは親の一挙手一投足にとても敏感ですので、自分のことを信じてくれている、という気持ちも伝わります。

 

大きな歪みにつながる前に、いまからできることを実施してみるのが大切です。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です