こんにちは。
家族問題解決専門カウンセラーの鈴木悦子です。
多くの親、とくに母親は「目に入れても痛くない」というほど自分の子どもを愛し可愛がります。
一生を共にするパートナーと家庭を築き、お腹を痛めてこの世に生まれてきた我が子ですから、大切な宝物とも言える存在ですね。
ですが、多くの親が感じるそのような気持ちとは逆に、
「我が子を可愛いと思えない」
「子どもを愛せる気がしない」
というような気持ちを抱えてしまい「我が子を愛せない自分は親として失格なのでは・・・」と苦しい思いを持つ親もいます。
子どもを愛せない、可愛いと思えないなどそのような気持ちはいつしか態度に現れてしまうことが多く、虐待やネグレクトに進んでしまうケースもあるほどです。
お腹を痛めてまで生んだ我が子が愛せない、という気持ち。自分でも理解できないことが多く、それゆえに苦しさやつらさが膨れ上がってしまい、自責の念に駆られることも多いんですね。
しかしなぜ、このようなことが心のなかに起こってしまうのでしょうか。心理学の観点から“我が子を愛せない”という現象を紐解いていきましょう。
自分の体験は子どもに反映されやすい
いまはもう大人でも、小さな頃は一つ一つが刺激的な経験であり、大小様々な経験を通して心と身体が育まれ、大人として育っていきます。
小さい頃の経験は良いものばかりではなく、時には痛みや苦しさを伴うものもあります。
中でも両親から受けた経験や体験というのは心の奥底に記憶されやすく、大人になってからも小さい頃に記憶した経験は消えることがありません。
両親から経験したものが痛みや苦しさを伴うものであれば、なおさら深い記憶としてこびりつき、その記憶を自分の一部として大人になってから振りかざすことは多々あるんですね。
特に母親から我が子への言動や態度、言い回しなどは自分の親から受けた経験が大元になっていることが多く、それを無意識で引き継いで我が子へのコミュニケーションに利用しています。
自分から我が子への接しかたを客観的に見てみると、叱りかた、怒りかた、言いかた、態度、目線、表情、様々な触れ合いかたが自分の親にソックリ、ということはありませんか?
人間というのは自分の経験を通して記憶しているものしか表現することはできませんので、無意識のうちに親をモチーフとして我が子に接している可能性は高いんですね。
もし親が自分の気持ちを理解しておらず欲しい愛情を注いでくれていなければ、親からの愛情で心が満たされることはなく、大人になったいまも子どもへの愛情の注ぎかたは理解できないものです。
我が子を愛せない、可愛いと思えない、というのはもしかしたら、小さな頃の自分の経験からきている可能性があると言えるでしょう。
我が子を愛せるようになるにはどうすればいいのか?
ここまでは我が子を愛せない、可愛いと思えない原因について心理学的に見てきました。
原因はわかったとしてもこれから先、自分の子どもを愛せるよう、可愛がれるようになるにはどうしたら良いのでしょうか?
それにはまず、自分を責めることを止めて自分自身を自分で愛することです。
我が子を愛することができない、可愛いと思えないなど、悲しくつらい気持ちになることもあるでしょう。
ですが、いまそれをできない自分を責めても解決に至りませんし、どんどんと我が子への愛情が遠のいてしまうんですね。
ですので、まずは自分を責めることを止めましょう。
自分を責めることを止めることができたら、今度は自分のことを精一杯自分が愛してあげましょう。
小さい頃の自分が心のなかにいることをイメージして、温かな言葉をかけてあげましょう。
「いつもありがとう。愛してるよ」
「毎日がんばっているね、色んな人が助かっているよ」
「良くできたね!すごいね!」
など、小さい子どもにお話するように褒めてあげたり優しい言葉をかけてあげたり、思いつくまま伝えてみましょう。
最初のうちは難しく感じるかもしれませんが、段々慣れてくると気持ちが温かくなり、自分自身を大切な存在として慈しむようになります。
そうなれば、心が愛情で満たされてきた証拠です。さらにどんどん温かい言葉を伝えていき、心に癒しと潤いを与えていきましょう。
自分の心が潤い愛情で満たされていくと、いつしか自分の子どもも大切な存在として感じ、言動や態度、言いかたなどに変化が訪れます。
我が子を愛するため、まずは傷ついている自分の心を癒し、潤いを持たせていきましょう。
終わりに
自分に対しての愛情が不足していたり欠乏していると心が荒んでしまい、言動や態度など余裕がないものになりがちです。
ですが、自分をしっかりと自分で愛していく、癒していくことで大きな変化が訪れることは多く、他人に対してもしっかりとした愛情を注ぐことができるようになります。
まずは自分自身をしっかりと愛すること、慈しむことで我が子はもちろん周りの人にも良い影響を与えていけるでしょう。
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